「今から銀行に融資申し込んでもいつになるかわからないし」
「消費者金融に借入たくさんあるんで追加で貸してくれないし」
資金繰りでこんなお悩みありませんか?
たしかに、支払い期日が迫ってきていたらお金にできるものなら売れるものなら現金化して、支払いにまわしたい、と思いますよね。
でも売るものもないし、すぐに現金化もできないし・・・
でも、あきらめないでください。
「ファクタリング」といって売掛金を売却できるしくみがあります。
「ファクタリング会社」が売掛金を買い取ってくれます。
売掛金を買取ってくれるなら、資金繰りが楽になる・・・・・・・
本記事では、ファクタリングの種類やしくみ、メリット・デメリットについて金融機関で20年余り融資に携わり、財務についてアドバイスしてきた私が解説します。
本記事を読むことで、ファクタリングのアウトラインを掴むことができますのでぜひ最後までお読みください。
ファクタリングとは?
ここではファクタリングって何なのかについて説明します。
ファクタリングとは売掛金の買取
ファクタリング(factoring)とは、企業が保有している売掛金をファクタリング会社が買取るしくみで、回収日までに資金化できる資金調達方法です。ファクタリング会社は売掛金から手数料を差し引かれた金額を企業の口座に振り込むしくみが大半で、また、銀行などのような借入金でないので、企業は返済の必要がありません。もちろん、決算書にも負債の金額が増えることもありません。利用する企業が赤字決算や税金滞納、また代表者自身が借入過多であったり、また延滞している場合であってもファクタリング会社を利用して資金調達することができます。手形の割引と同様で企業が持っている資産を売却して資金化する方法で、「アセットファイナンス」ともいいます。
資金繰りの強い味方となる!
株式会社社長の気持ち が中小企業の経営者(従業員規模200名以下)を対象に、資金調達に関するアンケートを実施した結果によりますと、およそ半数の中小企業の経営者は銀行など金融機関からの融資や借入から資金調達を行ており、また、3割以上の企業が資金調達できずに倒産や休業に陥ったことがあるといった回答を得ています。
(出典:【中小企業の経営者1,030人に聞きました!】資金調達や資金繰りに関して本音で相談できる相手はいますか?)
決算で黒字計上していても、手元に現金がなければ会社は倒産します。(黒字倒産といいます)。資金繰りを安定させるためにファクタリングを利用することは事業運営するにおいて強い味方となります。
ファクタリングの種類は?
つづいてファクタリングの種類についてです。
主に次の5つがあり、売掛金の売却であることには変わりませんが、それぞれに意味合いが異なります。
買取ファクタリング
一般的に「ファクタリング」といわれている種類のものです。
企業からファクタリング会社が売掛債権(売掛金)を買取り期日前に買取るしくみです。
「償還請求権なし」で買取るため、企業は、万一売掛先の企業が支払不能となってもファクタリング会社に返済する必要がありません。(手形の割引とは異なります)。
保証ファクタリング
保証ファクタリングとは、万一売掛先の企業が支払不能となった場合に売掛金を支払ってもらうシステムで、買取ファクタリングとは異なり、すぐに資金化されるものではありません。
あくまでも保険的な意味合いの要素が強いファクタリングです。
一括ファクタリング
一括ファクタリングとは、支払企業(債務者)、納入企業(債権者)、及びファクタリング会社の3社間で契約を交わし(3社間取引)、売掛金の一括決済するシステムです。
通常、売掛債権を所有している企業がファクタリング会社に申し込みますが、一括ファクタリングの場合、支払企業が主に申し込む場合が多いです。
国際ファクタリング
国際ファクタリングとは、貿易取引を行う際に用いられるファクタリングで、国内の輸出業者が商品代金を確実に回収するためのシステムです
- 国内の輸出業者
- 海外の輸入業者
- 国内のファクタリング会社
- 海外のファクタリング会社
の4社間取引になります。
診療報酬ファクタリング
診療報酬ファクタリングとは、社会保険医療基金(社保)や国民健康保険団体連合会(国保連)より支払われる診療報酬が2~3ヵ月ほどかかるので、その診療報酬債権をファクタリング会社に買取ってもらうシステムです。
診療報酬ァクタリングは病院、クリニック以外に調剤薬局、介護サービス事業者も利用可能です。
ファクタリング取引
ファクタリング会社に売掛金を買取ってもらい資金調達してもらい、また、いろんな種類があることも理解できたかと思います。
では、ファクタリングにはどのような取引があるのか説明します。
2社間ファクタリング、3社間ファクタリング
取引には、
- 2社間ファクタリング
- 3社間ファクタリング
があります。それぞれについて説明します。
2社間ファクタリング
2社間取引とは、ファクタリング会社と申込人との取引であり、売掛先を介さない取引です。
売掛先者に通知することなく申込人は売掛金を売却できるメリットがある一方で、手数料が3社間ファクタリングと比べ割高になる点があります。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、ファクタリング会社、申込人、および売掛先の3社間の合意のもとで行う取引です。手数料が2社間ファクタリングより割安でありますが、ファクタリング会社を利用していることが売掛先に知られることとなるので、両社間の関係が悪化する懸念があります。
審査、資金化
ファクタリング会社は利用企業から持ち込まれた売掛金を買取るか否かについて審査します。主に売掛金を支払う企業(債務者)、および売掛先との取引状況(取引年数や回収日、売掛金額など)を審査するため、利用する企業の決算が赤字であるとか債務超過、税金の未納などがあっても審査に影響を及ぼさないのが一般的です。
ファクタリングのメリット及びデメリット
資金調達のひとつであるファクタリングについての種類や取引について解説しましたが、ファクタリングを利用するのにあたってのメリットやデメリットについて見ておきましょう。
メリット
- 万一売掛先が倒産など回収が困難な状況に陥っても期日前にファクタリング会社が買取ってくれるので回収しすくが回避できる。
- 主に売掛金支払企業(債務者)の審査であるため、申込企業の決算状況が芳しくなく、税金未納があっても、また、銀行と違い申込企業の代表者の延滞など信用状況に問題があったり債務過多であっても審査に影響しない。
- 銀行より審査が通常厳しくない
- 負債でないので返済義務がない。
があげられます。
デメリット
- 3社間取引において相手企業(債務者)にファクタリングを利用しているのが知ることとなり、利用企業の資金繰りに疑問を感じたり、また、自社(債務者)がファクタリング会社に調べられていることになるので、利用企業への不信感を持たれる可能性がある。
- 手数料が発生する。特に2社間取引においては割高となる
- 悪質業者がいるので利用時には注意が必要
があります。
まとめ
ファクタリングとは何か、また、どんな種類があり、取引にについて、そしてメリット・デメリットについて説明しました。
ファクタリングは資金調達のひとつで、銀行よりスピーディな審査は厳しくなく、決算状況が思わしくなくても、代表者に借入がたくさんあっても審査に通ることがあります。
今まで銀行で融資を受けてのみ資金調達をされていたならば、売掛金を売却して資金を確保することを検討されてはいかがでしょうか。